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2013年6月24日 (月)

荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟 (集英社新書)

ミートボールを肉球と呼びたい八橋壮太朗です。


荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟 (集英社新書)

著 荒木飛呂彦

ジョジョでおなじみの荒木飛呂彦さんが映画の本を出されました。あれ、前にもありましたよね。


荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)


↑前著

ホラー映画について書かれた本でしたが、今回は「映画の掟」。一気にノンジャンルか?と思って読んでみれば、サスペンスという視点を土台にして書かれています。

ところで、大変困りました。取り上げられている映画タイトルを並べるわけにもいかず、要約するわけにもいかず。「荒木飛呂彦が選ぶサスペンス映画ベスト20」で始まっているこの本が、どういう構成なのか、まずは書いてみようと思います。もちろん目次丸写しせず。

とにかく荒木飛呂彦さんが今まで楽しみ、分析してきたことを話されていて、一般的にどうこうという内容ではありません。冒頭で、面白いとは何かという凄く重要な話をサラっとされます。好き嫌いや時代の価値観に関係ない不変の法則とは何だろうか。筆者が面白いと感じる作品たちを分析していくと、そこにはサスペンスがあった。エンターテイメントの基本はサスペンスにあり。ジャンルという意味でのサスペンスではなくて、サスペンスの要素に着目してSFやアクション、ラブストーリーまで見ていくと面白いかどうかにブレずにたどり着ける基本だったとおっしゃるのです。分析の結果、よいサスペンスには、5つの条件を満たしているそうですが、そこは本書をお読みください…。

次に、サスペンスといえばコレですよ!という作品をいくつか紹介されています。何を挙げられているかは伏せておこうと思いますが、キーワードとして出てくるのは「男泣きできる」「プロフェッショナルな行動」など。大義名分があれば何でもやる主人公。常識からはハズれても自分のポリシーは貫き通す。損得で動かない。悲しい現実の中でも逃げずにアグレッシブ。マイケル・マン監督の作品などをススメておられます。ツボだったのは、強いキャラが倒されても更に強いキャラが登場する「強さのインフレストーリー」は懐疑的だ、とおっしゃっているところ。ソレって…(笑)

そのあと、何人かの名監督に学ぶテクニックを紹介されています。どうやって期待させるのか。見せ方の順番が完璧すぎる、とある作品の某シーン。起承転転転転転転転転…。ひとつのシーンにいくつもの伏線を詰め込み表現していく。途中でジャンルを変えて観客を突き放す。パッと切り替えずにヌルっと切り替えるのもあったり。

後半は、エロサスペンスは売れない扱いされてるけど良く見るといい作品も多いよ!イーストウッドはジャンルだ!見るまでは「大丈夫か?」と思わせておいて見るとメチャおもしろいんだよ!シリーズ映画やテレビドラマ、アニメも軽く見ちゃだめ!昼ドラもすごい好き!という内容です。めちゃめちゃかいつまみました。

前半は分析したことを元に、わかりやすく語っていらっしゃいます。後半は、映画好きなんだよ!という思いがひしひしと伝わる内容になっています。もちろん、ジョジョなどで描くときに参考にしたんだよ、というお話も出てきて、ファンには嬉しい一冊です。

この本を読んでよかったなと思いました。その理由は、「映画を見たくなる」ということ。どこかどう面白いのか、語られていて、うわ、見たいよソレ!と何度も思う。間違いなくレンタル屋に走りますね…。そして、もうひとつ良かった理由があります。超メジャー漫画家さんという、物語の創作をされている方が語る映画だからです。映画業界の人が語っているのとは決定的に違うポジションがそこにはあります。知識を詰め込むわけでもなく、全ての映画を見ている前提で語られるわけでもなく、純粋に業界の外側から語りつつ、でもその分析や姿勢が深い。そういう意味では、役者さんや制作事情から切り離された本です。ストーリーの面白さに迫る本となっていると思います。

読みやすいのでオススメです。

荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟 (集英社新書)
荒木 飛呂彦
集英社
2013-05-17

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