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2013年3月 1日 (金)

猫のホテル「あの女」@ザ・スズナリ

小学校からタイヤが消えていくのが不思議な八橋壮太朗です。

最も敬愛する猫のホテル、最新公演「あの女」を見てきました。いつも通り、ネタバレ含めて書いていきますのでご了承のほどよろしくお願いいたします。ネタバレが嫌な人は、このページを離れて、スズナリへ行きましょう(^^

猫のホテル「あの女」
作 千葉雅子
演出 ノゾエ征爾
出演 中村まこと 森田ガンツ 市川しんぺー
会場 ザ・スズナリ@下北沢

もう、何年前の事か忘れましたが、猫のホテルの公演を見て心をわしづかみにしてくれたのは、上演前に行われるケータイ小芝居(ケータイ電話はOFFしてねというのを寸劇チックに披露)でした。いまだに覚えている千葉さんとしんぺー師匠の掛け合い。今回の「あの女」では、それが豪華になって帰ってくる!ということでウキウキして見に行きました。ゲスト回があって、ボクが狙ったのはもちろんヨーロッパ企画の本多力君の回。ちゃっかり見られました。やっぱり、ヨーロッパ企画と猫のホテルは、ウマが合う。「おかっぱ」であいうえお作文をやるとか、ベタなのに楽しい。以前、「芝浦ブラウザー」という公演で市川しんぺー師匠meetsヨーロッパ企画という状態でしたが、今回は本多力君meets猫のホテルでしたね。どうでもいいことですけどボクには大きなことです(笑)
そして今日も年々魅力を増している佐藤真弓さんを見れてウレシいスタート。年齢とともに魅力が増すってスゴいっすよマジで。

さて、内容に触れる前に今回のキャスト3人ということが、なんとも感慨深いんでしょうね。ボクは取り立てて関係者でもないのですが、20年30年も一緒に芝居してる男たち3人というのは、ただそれだけで感じるものがありますね。出演されてる3人の心境はいかに?と思うんですが、まあ、いつも通り、粛々とされているのでしょうね。3人、ホントに仲がいいんだろうなあ。しんぺー師匠とガンツさんがシアタートップスに客演してたときに、たまたま入り口で中村さんに遭遇したときも、ああ、仲いいシニアっていいな〜と思いましたもの。シニアよわばりですいません…。
それにしても、スズナリとは言えシニア男性3人キャストで平日なのに客席が埋まること埋まること。関係者風の人がいることを割り引いてもスバラシイですね。
ボクは千葉雅子さんのつくるお話が、妙に好きなんです。泥臭さとレトロが持ち味で、ややメルヘンなスパイスが効いてる割には、そこを全面に推し出さないスマートさ。かっこつけたい、恥ずかしい、欲をかく、逃げたい、感情的になる。そんな人間らしさをやり過ぎないトーンで展開する猫のホテル。東京でしか見られないのがもったいないですね。

さて、内容です。
チラシを見て、ある女に振り回される3人の男の姿が展開されるのかと思っていました。ある意味それはそうでしたけど、配役のところに検事とか弁護士って書いてあるので、法廷もの?オフィス?とか思ってたんですが。ふたを開けてビックリ。山の池辺にあるボロ小屋のような家ということみたい。そして、そこで3人は何をやっているのか?どういう関係なのか?そんなことを考えながら最後まで見て行くことになります。ボクの好きなスタイルですね。断片を拾って行って、だんだん見えてくるという。
自分のメモとして端的に書くと、結婚詐欺師(あの女)に被害にあった中村まことさんが人の少ない山の中で暮らしている。事件が結婚詐欺で、被害にあった男性が何人も死亡している事件ということでマスコミでも話題になって大変だったという経緯があり、今に至っている。そこに市川しんぺー担当検事が現れ、中村まことさん演じる被害者に、ねちーっこくカラんでくる。しばらくすると、詐欺師(あの女)の担当弁護士だった森田ガンツさんがやってきて…。「あの女」にまつわる引きずってる思いを裏に、3人が過ごす不思議な1日を描いている。そんなところでしょうか。
超ネタバレですけど、事件はもう10年以上前に終わっていて、ガンツ弁護士は当時話題だった事件を掘り返して本を出版したい、カネに困っているという設定。しかし、しんぺー師匠は、「あの女の刑が執行されたと伝えに来た」とは言うものの、どうもオカシイ。いったい、被害者に今さら何をカラみに来ているんだろう?そう思っていたら、どうも弱年性の認知症か何からしい。だから同じことを繰り返し話をするために、なんども中村まことさんの隠居を訪れているらしい。そんな、「あの女」に振り回された3人のお話でした。なんか、言い方に困るんですけど、この手の話ってボクは苦手なほうなんですけど、千葉さんのお話というか、猫のホテルだけはこのテイストがたまらなく好きなんです。なんでですかね。ホント。

今回はノゾエ征爾さんが演出で、照明を使った手堅い魅せ方と、効果音の面白い組み合わせで楽しませてくれます。照明を使った演出は、猫のホテルの持ち味をキープしつつ新しさを感じられて好感触。小劇場でもスケール感を感じられて良かったです。効果音を使った演出は、遊び心があって、軟/硬どちらも併せ持つ猫のホテルにピッタリ。持ち味と持ち味のシナジーが、どういう結果としてステージになるのか、観客に伝わるのか。ボクが感じたのは、泥臭さがちょっぴりセーブされて、視覚聴覚でのパフォーマンスがプラスアルファされて、いつもよりは「ショー」っぽい。

役者さんについて。
中村まことさんは、素を見せないような陰のある雰囲気がピッタリ。昔気質の頑固オヤジとか、職人とか、すごく似合いますよね。
森田ガンツさんは、衣装がものすごく似合っててステキ。いつも割食った役どころが多めと思っていたので、とてもウレシかったです。密かにガンツさんをもっとみたいと思っているひとは、数知れずだと思います。ガンツさん主演のお話とか見たいです。
市川しんぺー師匠は、まあ、その、ハムが、、いや、自慢のもち肌が拝見できました。心の中で「キター」と叫んでいたのはボクだけでしょうか。ボクだけでしょうね(笑)3人の中で、最も全体のバランスを意識していた動きをされていたのではないでしょうか。
それにしても90分ぐらいのお芝居を3人で続けっぱなしっていうのは、地味にスゴい。やり過ぎない力加減で行きつつ。さすがベテラン陣!

総括としては、良い悪いということではなくて、小劇場が好きな人たちのパワーを貰えるステージでした。
ありがとうございました。

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