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2013年1月18日 (金)

中島義道、加賀野井秀一「「うるさい日本」を哲学する」

雨の日も、たまには嬉しい八橋壮太朗です。

10年ほど前に中島義道さんの本に出会ってから、どこか救われた感じがしたのですが、今回は「共著があるだなんて!」と思った本書をご紹介したいと思います。

「うるさい日本」を哲学する
「うるさい日本」を哲学する
中島義道、加賀野井秀一

まずは、目次をご紹介。
この本は、中島さんと加賀野井さんが、お互いに書簡をやり取りするという構成になっています。
・はじめに 「うるさい日本」のわたしたち
・第一信 「音漬け社会」 中島義道
・第二信 「言霊の国」 加賀野井秀一
・第三信 なぜ日本人は「あの音」に耐えられるのか? 中島義道
・第四信 理屈よりも感情を優先 加賀野井秀一
・第五信 日本人も捨てたものではない 中島義道
・第六信 日本人(個人)と日本人(集団) 加賀野井秀一
・第七信 大多数の信念という不気味なもの 中島義道
・第八信 他者を理解せよ 加賀野井秀一
・第九信 誠実さと自己欺瞞 中島義道
・第十信 完全な理解はない 加賀野井秀一
・あとがきにかえて コミュニケーションの心得について

どちらも大学の先生で哲学者。タイトルにも「哲学する」という本なので、カタくて難解なのかな〜とか思いそうですが、めちゃめちゃ面白いです。カタくないです。

そして先に言っちゃうと、「あとがきにかえて」で著者2人が対談してるんですが、ここが大爆笑。喫茶店で読んでて、人の目をはばからずに笑い出してしまいました。アカンよ、卑怯だよ!コントみたい。

それでは内容について。
著者おふたりの共通点が「あの音に悩まされている」ということです。あの音というのは、たとえばエスカレーターに乗るときに自動音声案内で流れる「足元にご注意ください」みたいな声。たとえば、電車内や駅構内やバス車内や銀行や郵便局やスーパーやデパートや公演や駅毎商店街や…で垂れ流されている声。「駆け込み乗車はおやめください」「毎度ありがとうございます」「おつりをお確かめください」「駅構内は終日禁煙となっております」などなど。こうした音が耐えられないのです。
そんな共通点を発端に、「あの音」について話が始まります。つぎに、ふたりとも外国での長期滞在経験があり、お国柄の差を話す流れにもなります。そこで、日本人の言葉の扱いのこととか、親切で優しいよね、ということとか、公共(パブリック)と個/私(プライベート)の違いや、ダブルスタンダードで生活しているよね、などなどが語られます。個々の話で面白い部分はいっぱいありますけど、中島さんが繰り返しおっしゃる「欧米では…」「それに対して日本は…」などと言っても、昨今の若い人たちを中心に「ここは日本だから違ってていい」と平気で言われるんですよね、という話が印象的でした。
終盤は、ちゃんと周囲の人や居合わせた人との感情的じゃない会話、中身のある簡単な対話ができるようになっていくといいねという流れで終わります。

ひとつ、笑った話を挙げてみましょう…。
加賀野井さんは日常のやりとりの中で、どこまで議論ができるのかを試すために、ワザとこんなことを仕掛けてみたそうです。それは、日本とフランスのマクドナルドで、店員に注文するときに「ビックマックの上の段をビーフではなくフィレオフィッシュのような魚をはさんだやつにしていただけませんか」と依頼してみたそうです。どういう応対になったかは、本書をご覧いただくとして、ホントにやってみたらしいんですよね…。読んでて笑いが止まりませんでしたよ、、、(笑)

いや〜、全体的に身近な生活感のある「あの音」について、ああでもない、こうでもないと平たくお話になっていて、「まあまあ面白かったな」という読後感になると思ったんです。そしたら裏切られる「あとがきにかえて」。間違いなくコントです。何度も言いますけど大爆笑です。

マンションで、騒音で困って隣人を注意する話、電車でヘッドホンの音がやかましい人を注意する話、明るい昼間に店頭で電灯をつけているのを見つけて、消すように注意する話、禁煙の駅でタバコを吸っている人を注意する話、などなど…。こんなオトナがいらっしゃるだなんて!

中高生や大学生など、社会経験が少ない人たちには、もろ手で大歓迎したい内容なんじゃないでしょうか。ボクは大歓迎した。社会人ですけど…。オススメです。

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