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2012年10月17日 (水)

サイマルクリプトっていう呪文を覚えました(そんなにテレビを見てほしくないの?)

財布の紐がゆるい八橋壮太朗です。そのぶん入りやすいと目論んでいます。

「しばらくテレビやレコーダーを買うのは避けたい。」
これが、今思っていることです。

なぜ、そう思うようになったのか。そして、一部で話題になっている「サイマルクリプト」とは何なのか。Webで調べたことをもとに、今日もコタツ記事を書いていきたいと思います。なお、特定のメーカーや放送局を名指しして批判する気はありませんので、そこはオブラートに包んで記していきます。当局(総務省)やDpaに対しては怒り心頭ですけれど。
「もうテレビなんて見ない」という姿勢から、改めてテレビ回帰をしてみようと思っていたところだけに、残念でなりません。そんなにテレビ見てほしくないの?

●不具合が発生(ダビングができない)
Dubng
当ブログを読んでいただいている方はおわかりだと思いますが、最近テレビ番組の魅力を再評価しています。NHK「クローズアップ現代」、テレビ大阪「和風総本家」、BS朝日「城下町へ行こう!」、テレビ朝日「東京上級デート」など。テレビも面白い番組はある。毎週録画してます。中でも「クローズアップ現代」は有料オンデマンド配信こそされているものの、パッケージやレンタルでは手に入らないため録画データは貴重です。そこで、残しておきたい番組はブルーレイに記録して保存するようにしています。
しかし、8月末ごろから、ダビングができない番組が増えてきました。朝の連ドラやクローズアップ現代は、ほとんど毎回ダビングが不可能となり、NHKだけかと思っていたら、民放ドラマも9月ごろからダビングできないことが増えました。

●接続機器の相性や偶発的な不具合ではない
録画機器(ダビング元)やレコーダー(ダビング先)は、それぞれ複数持っている上に、同一メーカー製で使用しており、ハードディスクも動作確認済みと言われているタイプを使っています。しかも半年以上は1度もトラブルなく使用できており、もっと言えばBS朝日「城下町へ行こう!」は、現時点でも1回も不具合が起こらず正常にダビングできています。機器の経年変化や、相性問題と言うには、どうもおかしい。
※DTCP-IPを使ったダビングで不具合が確認できており、ブルーレイレコーダーで受信・録画した番組は、その本体のブルーレイドライブを使って(ローカルで)ディスクに書き込むことについては不具合は確認できていない

●サイマルクリプト運用が始まっている
Webで調べていると、カカクコムなどで同じ不具合に直面している話が出ています。すると、「サイマルクリプト」という言葉がキーワードとして登場します。口コミの内容をざっくりまとめると、「9月ごろからサイマルクリプトというのが地上デジタル放送で始まった」「同時期から地上デジタル放送の録画データがダビングできない事態が頻発」というのです。この2つの因果関係はメーカーにしか判定できないので、誰も明確に言えないレベルの内容ですが、少なくとも時期が一致していること、地上デジタル放送だけでエラーが増えていることから考えると、妥当な推測と思われます。

●サイマルクリプト運用とは
サイマルクリプトという言葉は、「サイマル(同時並行)」「クリプト(暗号)」という意味合いがあります。
以下に、社団法人デジタル放送推進協会(略称:Dpa/ディーピーエー)のWebの文面を引用します。

*サイマルクリプト送出運用:これまで、地上デジタル放送のコンテンツ権利保護方式としては、限定受信方式(CAS)が運用されてきましたが、これに加えてRMP方式(新方式)も規格化され、CAS方式と並行して関東地域を手始めに本年の7月ごろから地上放送事業者において順次運用が開始される予定となっております。

引用元:Dpa
地上デジタル放送サイマルクリプト動作確認用テストストリームの追加配付(無償)について
http://www.dpa.or.jp/business/mfr/1203210000.html

要するに、B-CASカードを使った方式だけでなく、新しくRMP方式というコンテンツ権利保護方式が平行運用されているということです。

関連する報道記事は、日経BP社にも掲載(以下URL)されており、「地デジ新方式」になるということ、つまり放送波の仕様が変わる(二つの鍵情報(ECM信号)を放送波に多重化)ことが伺えます。

地デジ新方式の関東広域圏での運用は8月中旬以降に、「念には念を入れて確認」と説明
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120618/403562/

●なぜサイマルクリプト運用が始まったのか
なぜサイマルクリプト運用が始まったのか。うがった見方をすれば、「B-CASカードが改造されたからじゃないか?」と思ってしまいそうですが、それは違うようです。もし「導入を急いでいる」のであれば、その理由にはなると思いますが。

当局(総務省)のWebを見れば、以前から「B-CAS」以外の方法を検討していたことがわかります。
総務省の資料から、いくつか抜粋して引用してみます。

・「B-CAS」と並ぶ新たな選択肢を拡大することが望ましく、可能な限り早期に、選択肢の具体化と、その導入を図る必要がある。 ・既に市場投入されている約5000万台の受信機との互換性を確保するため、現行Ksを利用する方式。 ・B-CASとは独立した方式。(サイマルクリプト方式) ・新方式を短期間に実現するためには、この方式に沿った受信機が市場に出てくることが非常に重要。数多くの新たな方式を搭載した受信機が市場に投入されることを期待。

引用元:総務省
「デジタル・コンテンツの流通の促進」及び「コンテンツ競争力強化のための法制度の在り方」<平成16年諮問第8号、平成19年諮問第12号>
中間答申 概要(平成21年 7月10日 情報通信審議会)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000030621.pdf

とりあえず、B-CASが改造されてしまう事態が起こる前から、B-CASには多々の問題があって別の方法を模索していたのがわかります。そして、この時点で「サイマルクリプト」という言葉が出ているのもわかります。

なぜB-CAS以外の方法を模索していたかについては、上記の当局資料に詳細が書いてありますが、物理的にカードリーダーを受信機につける必要があるので、スペース的にもコスト的にも負担が大きいこと、B-CAS一社が管理しているし、テレビを作るメーカーの新規参入のハードルになっていること、などが挙げられています。

この資料は後半も面白くて、「放送コンテンツのネット配信」を推進していることから、将来的にはテレビ録画の代替手段としてオンデマンドサービス(有料)を打ち出していく可能性が垣間見れます。要するに、テレビ放送はリアルタイムで見てほしいし、見逃したらオンデマンドで有料視聴してほしい。録画はしてほしくない。パッケージ(DVDやBD)が売れないので、その代替手段は有料視聴でカバーしたい。「そっかー」では終わらない言い方をすれば、放送利権を軸に、コンテンツの権利を手中にし、パッケージ販売のみならず、ネットワーク配信事業まで手に入れたい。そういうことでしょう。放送局にコンテンツの権利を握らせているから、こういう結果になるのでしょうね。放送とコンテンツの著作制作は、一体化しすぎ。

●互換性/新規受信機とはどういうことか
いままで紹介した資料のほかにも、参照できるものは多く、注目したい部分を抜粋して引用してみます。

・サイマルクリプト運用に伴い「既に市場に投入された機器へ悪影響を与えないこと、すなわち、視聴者への影響が発生しないこと」について万全を期すための確認作業を行っている。 ・このような視聴者保護の観点から、関東広域での運用開始(“新方式”の鍵情報送出開始)を8月中旬以降とする。ただし、2013年4月の全国での運用開始は、当初の予定通り進める。

引用元:総務省
新方式の運用開始について 一般社団法人 地上放送RMP管理センター
http://www.soumu.go.jp/main_content/000164295.pdf


・新規受信機の開発
・新たな方式に対応した受信機の開発、製造、及び市場流通

引用元:総務省
放送コンテンツ保護に係るエンフォースメントの在り方に関する検討状況(資料)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000024151.pdf


・新方式による運用開始にあたり、コンテンツ保護のためのスクランブルを解くための鍵情報を、従来の受信機向けとは別に送るため、新方式の鍵情報の伝送制御信号の記述子として、アクセス制御記述子を追加する。

引用元:総務省
地上デジタル放送のコンテンツ保護に関する規定整備について
http://www.soumu.go.jp/main_content/000163865.pdf

最後に示した資料の絵が決定的です。

なんと、「従来の受信機」と「新たな方式に対応した受信機」は別モノ。今売っているテレビは「従来の受信機」なのか?いつから「新規受信機」が発売されるの?ファームウエアアップデートで「新規受信機」になるの?

正直、そんな仕様の違いなんて、販売店で聞いても不明でしょう。BSを見るためには引き続きB-CASカードが必要になるみたいですし、「新たな方式に対応した受信機」が不具合なく動作しているのがわかるまでは、テレビやレコーダーを買いたくないと思いました。

今年の年末年始のテレビ商戦には参加しないのが得策だと思います。
(さらに言うと、「新たな方式に対応した受信機」よりも「従来の受信機」のほうが便利に使える可能性もあるので、現行機種が不利益かどうかまでは、なんとも言えないんですよね…)


●追記(2012/10/18)
この件に関連して、テレビメーカーのWebサイトにお知らせが掲載されました。
以下、抜粋して引用します。

・このたび、地上デジタル放送の新たなコンテンツ保護方式の番組を録画した際に、弊社製液晶テレビ「レグザ」ならびにブルーレイディスクレコーダー「レグザブルーレイ」につきまして、レグザリンク・ダビングが出来ない場合や番組説明が表示されない場合があることが確認されました。

「レグザ」ならびに「レグザブルーレイ」ご愛用のお客様へのお知らせ
http://www.toshiba.co.jp/regza/newsreport/20121017.htm

この文章から読み取れることがいくつかあります。

まず、「地上デジタル放送の新たなコンテンツ保護方式の番組を録画した際」と明記されています。放送波の仕様が変わったことで、「多大なご迷惑とお手数をおかけ」したことが明確に述べられています。この因果関係は技術的な問題ですから、ユーザーからは明確に提示できない部分なのですが、メーカーとして認めた形となります。

前述での引用を繰り返しますが、一般社団法人 地上放送RMP管理センターは以下のように総務省に報告しています。

サイマルクリプト運用に伴い「既に市場に投入された機器へ悪影響を与えないこと、すなわち、視聴者への影響が発生しないこと」について万全を期すための確認作業を行っている。

結果的に万全ではなかったので、過失があったとしか思えませんね。B-CASで叩かれて、さっそく新方式でもトラブルですか。あまりにも導入を急ぎすぎているとしか思えませんね。

もうひとつ、メーカーのお知らせから読み取れることがあります。
「多大なご迷惑とお手数をおかけ」したことは書かれていますが、具体的にどういう機能が使えない場合があるかを述べているだけであって、それが「不具合」「トラブル」「ミス」「過失」などであるとは、一切書かれていません。
これは、メーカーが非常にやっかいな立場であることを物語っていると思います。

おそらく放送波の仕様が変わらなければ、ここまで問題にならなかったはずです。発売当時のメーカーの設計に不備がなかった可能性があるし、少なくとも気づくことはできなかったでしょう(今回の件に関しては)。残念ながら、放送波の仕様が変わり、発売時に気づくことのできなかった機能不全が顕在化してしまったのではないか。サイマルクリプト運用が始まることが判った段階で、動作確認や対策を考えていたとは思いますが、それも不完全だった。

つまるところ、このトラブルはメーカーの責任なのか?という部分が、非常にあいまい。しかし、メーカーに責任が無いと仮定した場合、その矛先は総務省や放送局、電波行政全般に向く。でも、メーカーは波風立てたくない相手でしょう。仮にメーカーに責任があったとしても、「放送波の仕様が変わった」「B-CASに代わる新方式が始まっている」「そのために一般社団法人 地上放送RMP管理センターが設立されてる」ということに注目されてしまうことに変わりはないでしょう。それも避けたかったのではないかと思われます。

そこまでして、テレビ見てほしくないの?
(関係者はきっと、「お前みたいなヤツには見てもらわなくてオッケ」とか思っていることでしょう)

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