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2012年10月25日 (木)

篠崎誠監督「あれから」

武蔵野市は24番目の特別区にしたらいいと思う八橋壮太朗です。

前回に続き、第25回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門で上映された作品について記そうと思います。
2本立ての2本目となる「あれから」について、メモ程度になってしまいますが書き留めていきます。この作品についてはネタバレしつつ書きますんでよろしくお願いいたします。

あれから
監督 篠崎誠
脚本 篠崎誠、酒井善三
出演 竹厚綾、磯部泰宏、太田美恵、木村知貴、川瀬陽太

今回も、雑感をコンパクトに挙げてみます。
・主人公を掘り下げていくので共感できないとツラそう(ボクは入っていけたけど)。
・大事なセリフはあるけれど、セリフに頼らない見せ方がオトナな感じ。
・主人公の竹厚綾さんの役割がとても大きい。
・好きか嫌いかで言えば、明らかに好き。

奇をてらわないストレートさが清清しい。
主人公はオーダーメイドの靴屋さんで靴をあしらえるお仕事をしているお姉さん。この作品のホームグラウンドは、お店だと思います。同僚やお客さんとのやりとりを通して、主人公のメンタリティーの機微をセリフなしで拾えるようになれる。そこを味わえるかどうかが、最後まで飽きずに見られるかのポイントだと思います。

つまり、主人公の竹厚綾さんの内面をずっと追いかけるわけですけれど、なんというか言い方を間違えると失礼な話ですが、基本的には喜怒哀楽を豊かに表現されていないので、ボクは好きでした。やりすぎは嫌いなので。
なにより、竹厚さんステキ。大きいスクリーンいっぱいに映るって、いいですね。

お話の核心は震災以降連絡が取れなくなった恋人との関係、そこで起るイベントの受け止め方です。
震災を特別視していない扱い方がよかったです。上映後のトークセッションでも、震災ということで何か意識して描いたつもりはない、どうしても入ってくるものとしてある、というようなことを監督がおっしゃっていました。そうですよね。見ててそう感じます。2本立ての1本目だった「何かが壁を越えてくる」もそうですが、映画祭の作品選定で何かラベリングというか、カテゴライズしてたんでしょうか。作り手は一様に「特別震災だからといってどうというわけではない」というような語り口だったので、なんとも映画祭の仕切りが気になるところでした。でも、半ばしょうがないよねという雰囲気にも包まれてましたよね。ええ。

この作品の好きなところは、なんと言っても喜怒哀楽を豊かに表現しないリアリティでしょうか。静かに生きてる人も多いんですよ。でも内面ではいろいろ起っているんだぞ、と。そんなところが入っていける根源かもしれない。

とても意識させられたのは、「場音」の扱い方。余韻と場音の妙が、味なんですね。
好きですけど、冷たい言い方をすると「たまに見るから好きになれる」というのもあると、ボクは思います。むしろ、このようなテイストの作品は、普段テレビとか見てても皆無ですから、そういう意味で貴重な時間を与えてもらえて嬉しかった。

上映後に客席から監督に質問があって、途中でホラーっぽいテイストのシーンがあるけど、あれは現実なのか?と投げかけられていた。「あれは夢です」という回答が監督からありました。やはりここでも、ボクの確信めいたものがフツフツと沸きあがる。まず「どう考えても夢オチだと思うんですけれど…夢オチでした、っていうカットがあったと思うし」というのと「やっぱり、受け止め方に迷いが出て直接作り手に尋ねるっていうのは、どうも好きになれない」ということ。好きに解釈して好きに見ればいいと思う。変に意味を求めてもしょうがないというか。受け止められなかったらボクはあきらめます。がんばって受け止めようとしてダメだったらしょうがない。がんばって拾う気がないのは論外ですけど。

今回は、東京国際映画祭のある視点部門の2作を見ました。月に何本も映画を見ないボクのような人間から見ても、平均値の高さを見せ付けられました。ビジネス的な意味では、もっと市場の流動性が生まれる仕掛けがあるといいなあ、と、ものすごく引いた目線でエラそうな意見を最後に書いて、逃げ出します。とぁーっ...

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