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2012年10月25日 (木)

榎本憲男監督「何かが壁を越えてくる」

孤独のグルメで深夜に食欲が抑えられない八橋壮太朗です。

今日は第25回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門で上映された2作品を見てきました。
まずは「何かが壁を越えてくる」について記したいのですが、なんというかネタバレしてはいけない作品と思えて仕方が無いので、なるべくネタバレしない努力をして書こうと思います。

何かが壁を越えてくる
監督・脚本 榎本憲男
出演 今村沙緒里 佐々木ちあき 上村龍之介

予備知識をなるべく得ないまま見るのが大変でしたが、ようやく見ることができました。
まず最初に率直な感想を書いておこうと思います。
・楽しませようというサービス精神が伝わってくる
・コンパクトなのにサプライズ!

上映時間35分の作品です。男女3人でクルマに乗って地方に向かうというお話です。
ネタバレしていい事前情報としては35分の作品ということだと思いますが、会話の展開がコンパクトで最小限なのにセリフの無いシーンにも時間が割かれていて、メリハリがものすごく効いていました。テンポがいい。
驚きなのは、コンパクトな会話から3人のキャラクターや人間関係を拾わせてくれること。日常的な会話から、だんだんヒントが与えられていきます。職業、何をしに行くのか、どういう性格なのか。ん〜、そこまでしか言えない、、。どうもみんな、最初のシーンを語っている人が多いようだけれど、そこしか語らせてもらえないんですよね。ネタバレるから(^^;; ボクは最初からクルマが走っててもいいんじゃないかと思いました。言えてそれぐらいでしょうか…。

なんとも中身について触れづらいので、別のことを書こうと思います。

役者さんの持ち味と、役者さんたちの組み合わせによるコントラストがとても心地いい。申し訳ないですけど、全員存じ上げませんでしたけど、3人とも初登場シーンから馴染んでいて楽しめました。やっぱり最初に登場したときの印象はとっても大事ですね。とくに女性二人のコンビは、クルマから降りたときの身長差が印象的でしたけど、短い時間の少ないセリフの中で、見ているだけで愛着が生まれる雰囲気をお持ち。ボケとツッコミまで明確なコントラストではなかったけれど、表情や語気の強さでキャラクターがしっかり伝わってきました。もっといろんな表情を見てみたい。やりすぎない力加減を、みなさんお持ちのようで嬉しかったな。やりすぎはボクは嫌いなのです…。
あと、暗いシーン(ムードじゃなくて光学的に)が多いのに、映像がキレイ!!どゆことですか…誰も触れない気がするんですけど、あの暗さであの映像は難しいと思うんすけど…。
そして、楽しませてやろう感が伝わってくるのが、とても嬉しい。音楽を使って楽しませてくれるし、もちろん話の筋でも「どや!」みたいな転換が待っているし、なにより登場人物3人の会話がユルめで始まるので肩肘張らずに見始めることができました。

もっと大局的な意味で、個人的には得るものがとても多くありました。

それは自分の映画の見方について軸が増えたということです。
上映後に監督のトークセッションがあったのですが、そのやりとりを聞いて、なぜ自分が監督の作品を見る気になっているのかがハッキリしました。
・エンターテイメント性が一番。
・いい意味で裏切るインパクト。
・偶発的な面白さ/美より、練りに練って作り込んだ面白さ。
このあたりが、とても共感、同感した大きな部分です。

そして、なんとなく思っていたことが確信に変わりました。
・初見が大事(特に雑感)
・予備知識はなるべく得ない(得てもいい形で)
・映画マニアにしか楽しめない映画は見なくていい
・批評や論評を読まないと受け止められない作品は、表現と呼べない気がする
・あのシーンはどういう意味か?という問いかけを作り手に聞くのは野暮なこともある
というようなこと。ボクが勝手にそう確信しただけの話ですが。作り手に聞かなきゃわからないというのは、表現しているのに伝わってない事態なのか、多様な解釈を残してあって、受け手が自由に感じて良いということだと思う。もちろん作り手へ「見たよ!」「俺はこう思ったよ!」とレスポンスすることはとても良いことだと思うけど。勉強という意味では、人の感想を読むのは必要としても、ボク的には作り手が練りに練って作り上げた作品を、なるべく自分の手で紐解きたいという思いが一番強いので、このような確信に至りました。

また、予備知識はなるべく得ないようにしていたものの、あらかじめ意識して見ていた部分がありました。
それは榎本監督の作風であります。今回が2作目。1作だけでは分からない作風が、なにか見出せるのではないかと思って見ていました。
1作目の「見えないほど遠くの空を」は2回見たのですが、丁寧に作られていて全く飽きず。ブルーレイ欲しいんですけど…(^^; お話のインパクトというよりは、ひとつひとつのシーンやセリフがとっても丁寧という印象が強くて、繊細な映画だと思いました。果たして今回はどうなんだろう?と。1作目は主人公が大学生〜新社会人ぐらいだったのに対し、今回は何年かは仕事を、それも安定しない職をしていて、仕事はうまくいっていない感じのお年頃。
そういったところを拾いながら感じるのは、役者の所作よりカメラワーク、セリフが重視されているのだなあということ。そして、トークセッションでのお話でも納得しましたが、いろんな表現を半ば実験されているのだなあということ。それが可能になる絶対的な楽しめるストーリーが第一にあって、ここがものすごく武器なんだなと感じさせられました。

映画ファンにしか伝わらない表現もアリだと思いますが、そうでもない一般人も十分楽しませてくれる魅力が、作風として約束してくれている気がします。

唯一困ることと言えば、どこまでネタバレして人に言っていいのかのさじ加減…(^^;

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