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2012年6月29日 (金)

三谷版「桜の園」@パルコ劇場

ウイスキーでアル中寸前まで行った八橋壮太朗です。

今年は芝居を控えめに…と思っている最中、見るしか選択肢がないものもあります。
そのひとつが、三谷版「桜の園」。

パルコ・プロデュース公演
三谷版 「 桜の園 」
公演日程 2012年6月9日(土)~7月8日(日)
作 アントン・チェーホフ
翻案・演出 三谷幸喜
出演 浅丘ルリ子 市川しんぺー 神野三鈴 大和田美帆 藤井隆 青木さやか
瀬戸カトリーヌ 高木渉 迫田孝也 阿南健治 藤木孝 江幡高志

三谷幸喜が自分で書いてない芝居をやる。そして、5年以上イチ推ししている市川しんぺー師匠が出演。
チェーホフ?それオイシイの?と言いたくなるのを我慢しながらのパルコ劇場です。

それに、三谷さんの前フリが良かった。
「桜の園」はもともと喜劇だったんですよ、なのにみんな喜劇として解釈して上演しない。で、よく読むと、笑えるところもあって確かに喜劇だと思った、喜劇としてやってみたくなったと。
これは気になる。

ともかく劇場へ。
相変わらず、一般人は相手にしないよというスタッフの表情が見え見えのパルコ劇場。
(半分ぐらいは関係者が関係者を探しているのでそう見えるのです)
5割の確率で観劇中に震度4以上という、全盛期のイチローを超える好成績のパルコ劇場であります。
相変わらず、飲食はNG、ケータイは切れという案内だけ。
なのにケータイバイブ発生と食べ物率が高いというスラバシイパルコ劇場。
地震が大きくなったら、客より関係者を先に逃がすであろうことは、姿勢からよく感じ取られます。
そりゃ恨み節になります。

さて、始まる前に青木さやかさんによる前説が突然行われます。
ユルく見て欲しいという丁寧さ、サービス精神を感じました。
しかし、逆に言えば自信が無いのだろうか?とも感じつつ。
はじまり、はじまり。

何がネタバレなのかわからない超ド級メジャー作品「桜の園」ですが、まあシレっと書くとすると、
市川しんぺー師匠、大活躍の巻
この一言に尽きるのであります。
勝手に師匠ということにします(いまさら…)

あまり脚色されていないということのようですが、いじるとチェーホフじゃなくなっちゃうということのようですが、
「チェーホフ?それオイシイの?」の俺としては、繊細に丁寧に演じられているなあという感想。
全編にわたってウィットに富んだ細かいフリやウケがちりばめてあって、サービス精神を感じつつ、軟硬つけがたいトーンを探り探り演じられております。
そのほとんどのハンドリングは、市川しんぺー師匠に委ねられております…。

何がウレシイって、浅丘ルリ子さんを立てつつ、でも浅丘ルリ子さんはやり過ぎない力加減をお持ち。それによってトーンが明るくなっています。
たぶんだけど、浅丘ルリ子さんと市川しんぺー師匠によって、気合を入れすぎずに粛々と演るというチームになってるんじゃないかなあ。

役者さんの名前を眺めていて、注目なのは高木渉さんであります。
名探偵コナンの高木刑事です。
へっぽこ実験アニメーション エクセル・サーガの六道神士であります。
動きや語り口が新鮮です。なんというか見ていて安心感がある。
良い意味で大雑把というのだろうか。高木渉さんと阿南健治さんの二人のおかげで、人情味と現実感が保たれている。
他の役者さんたちは、ファンタジーの世界でもそのまま同じキャラでいけると言えばいいのだろうか。
全員ファンタジーだと、何か違うと思うんですよね。

今まで存じ上げませんでしたが、神野三鈴さんの存在感も良かった。
最もベタに感情移入させてくれる役が神野三鈴さん。
彼女によって、お屋敷の人間関係が見えてくるわけですが、カーテンコールでのお姿を見ると、だいぶ繊細に丁寧にされていたんだなあという印象。
きっと、観客を物語りに引き込む大事な役どころだという感覚と、やりきったという感覚が押し寄せていたのではないでしょうか…。

今回も卑怯な配置が行われておりまして、江幡高志さんであります。
ベッジバートンで1人11役を演じた浅野和之さんと、同様の立ち位置であります。
ストーリーに最もタッチしない場所から、ひたすらボケを提供する。
好きですけど卑怯です。
でも、そのおかげで笑えて楽しいポイントがストーリーから切り離されてしまうのは、いかんともしがたいものがあります。

藤井隆さんと青木さやかさんのお二人は、仕事キッチリしてるな~という印象。もちろん良い意味です。
残念ながら、どれだけ頑張っても驚かれない有名税によって、そう見えるのですけど。
この二人のおかげで、マイルドなトーンになっているのは間違いありません。居ないと絶対堅くなる。

小林さんケラさん情報によると、三谷さんは「難しいね」、とお話されていたそうで。
それで納得したんですが、やっぱり自信満々に作られた芝居より、探り探り悶々としていたり、迷ってたり、稽古が不十分で余裕が無い芝居のほうが、面白い。それだけガチだし緊張感がある。気合とは違った、なんというか、真剣に向き合ってくれているという姿勢。
これがいい。
作り手が満足しすぎていて、千秋楽で伸び伸びやりすぎてる芝居を何度も見たけど、それじゃダメなんじゃないだろうか。初日の緊迫感。こっちのほうが面白いっす。

最後になりますが、今回はサディスティックしんぺー師匠でありました。
もち肌を披露することもなく(というか痩せてますね)、大立ち回りでございました。
ありがとうございました。

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