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2012年2月24日 (金)

原恵一監督「カラフル」

乾燥していると、エアコンはエアーコントロールなんてできてないじゃないか!とツッコミたい私が八橋壮太朗です。

前から見たかった原恵一監督「カラフル」を見る。

どうやら評判がいいらしいぞ、というだけで、何の先入観もなく見る幸せであります。
まずはAmazonより引用。

「河童のクゥ」「クレヨンしんちゃん」の原恵一監督作品
第14回文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門 優秀賞作品
直木賞作家・森絵都の大ベストセラー小説が、最高の映像作品で生まれ変わる!

死んだはずの“ぼく”の前に、突如“プラプラ”という天使(?)が現れ「おめでとうございます。あなたは抽選に当たりました」と話しかけてきた。大きな過ちを犯して死んだ“ぼく”は、再び下界へ戻って再挑戦するチャンスを与えられたというのだ。そして、自分の罪を思いださなければならないと。こうして、“ぼく”の魂は自殺したばかりの中学生・小林真の体に入り込み、真として生きることになる。真の家庭は、一見幸せそうに見えた。しかし、存在感の薄い父、母は不倫中で、兄は出来の悪い真を馬鹿にして口も聞かない。その上、学校では内気で友達も無く、成績も最低。救いようのない毎日を生きていた真は、秘かに想いを寄せる後輩ひろかが援助交際をしている事実を知り、自殺したと“ぼく”は知る。そんな中、真っぽく振る舞わない“ぼく”と、まわりの関係が少しずつ変わってゆく。家族、はじめて出来た親友、真をずっと見ていた唄子、そしてひろか。様々なことが動き出し、そして、“ぼく”は「ある事」に気づく。
灰色一色だと思っていた“真”の世界は、よく見ると、いろんな色を秘めていた――――

死んだはずだけど下界に戻って再挑戦、自殺したばかりの中学生、不倫中の母、後輩が援助交際。この説明文だけ読めば、なかなかベタな前フリです。でも、そんな先入観は忘れて見られます。むしろ読まないほうがよかった。そんなこと、今更ここで書く私もどうかと思うけれど(笑)

どう書いていいのか困る作品です。大絶賛したいけど人には薦めたくないタイプの作品だから…。

それに、何から書いていいか悩む。
まず、原作がスバラシイのがよく分かる。描きたいことが詰め込みすぎず中だるみもせず、スケール感もいいし、厚みがある。そのおかげで安心して入っていける。最初の天使が邪魔だと思えるぐらい(笑)。

これ、完璧に大人向けですな。大人が子供の頃を振り返って、生活のスケール感を取り戻したあと、友人関係や家族関係に改めて思いを馳せる。内面や家族のパーソナリティが、少しでも作品とカブっていたら、ぐっと来ること間違いなし。うがってみれば、少し自己啓発っぽい部分か少しあるけれど、こんなきめ細かいお話、いろいろあった大人しか汲み取れないところが多いんじゃないでしょうか。クオリティ高いなあ…。

クオリティの高さを、なんとか書き記したいところですが、それは生み出されたトーンをどう説明するかということだと思われます。距離感も。抽象的でファンタジーな要素と、生活感や実在の風景が、どちらも行き過ぎない絶妙なトーン。どっちもあるんですよ。で、一定のトーンでもない。内面=ファンタジー世界。その内面から導びかれて、日々の生活=リアリティを改めて見つめなおす。で、最後はファンタジー世界から本来のリアルな生活に戻る。行って→帰る、という流れ。死後に下界で一定期間の再挑戦をする。天使のガイドつき、という半分ファンタジーな生活をする世界に「行き」、自分の世界のカラフルさに気づいていく。一定期間が終わり、天使の記憶は消され、現実世界の暮らしに完全に「戻る」。主人公は成長しました。そんな風に見られるようになった自分に拍手(なのか?)。

とても家族の存在が大きい。中盤までは学校生活に意識するように描かれているけれど、ちょいちょい織り交ぜられている家族の存在が、後半になって生きてくる。思い当たることが少しでもあれば涙腺が活発になることでしょう。大きく分けると、学校・友人関係と、家族との生活の、大きく分けて2つある。家族との生活を描いていても、頼りきったり、依存したりすることが無く、でも家族愛を感じながらも、ラストシーンを友人関係で描くことで一人の人間としてのお話だ、というスケールがブレない。

俳優さんが声優をやっているキャラが多いのは、この作品ではバッチリ適していた。両親も友人も。
母親の麻生久美子と、後輩の南明奈がとても良かった。誰が声優やってるのか分からないレベル。やりすぎな声優っぽさも無ければ、俳優さんそのものを連想することもなく、何の先入観も持たずに聞いてられる。
変に萌え要素があるのが、モテない元いじめられっ子役の宮崎あおい。もじもじキャラの宮崎あおいはヤバいです。

小難しいことを考えないで観ると、中盤から、いろんな風景がカラフルに見えてくるようになります。自然に。
そこがまた絶妙。「ほら、カラフルでしょ」みたいな感じではない。「なんか、風景が多彩になったな」ぐらい。
この味がたまらんですね。
作品のタイトルを「カラフル」にしないほうが良かったんじゃないかと思うぐらい。
そうすると、他の名前にしなきゃいけませんが、他にいいタイトルも思いつきませんね…。

ひそかにオススメです。


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