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2011年6月11日 (土)

映画「見えないほどの遠くの空を」@ヒューマントラストシネマ渋谷

品川港南口の居酒屋「路地裏」に兄弟店があることを偶然知って、今度行ってみようと思う私が八橋壮太朗です。

映画「見えないほどの遠くの空を」を公開初日、初回に観てきた。場所はヒューマントラスト渋谷。出演者&監督による舞台挨拶アリ。

途中まではネタバレなしで書くので、観てない方は途中まででやめておきましょう。

この映画を見に行ったのは、Twitterで監督榎本憲男さん(@chimumu)をフォローしていたから。ストーリーやシナリオについて、もちろん映画についてとても勉強になる発言を多々されており、無学な俺としてはとってもありがたかった。有益なお話をガンガンつぶやいてくれる上に、たまに絡むとお返事までいただいたりして。そんなときに、監督をしていてこれから撮影なんだとのこと。これは観にいかなきゃいかんでしょう、と思った。ひとつは、そもそも作られている映画がどういうものなのかがとても気になるし楽しみなこと。ひとつは、いろいろ勉強させてもらったのだから、なにか協力的なことができないかなと思ったこと。要するに、ちゃんとお金払って映画見に行こうということ。最低限。

ということで、舞台挨拶もある初回にさっそく行ってきました。ここからネタバレします。

まずは、どういうお話なのか。小学館から原作文庫の内容紹介から引用。「見えないほどの遠くの空を」榎本憲男著

賢は大学で映画研究会に属している。今回は賢が監督で映画を撮ることになった。映画のヒロインには同じく映画研究会に所属する杉崎莉沙が選ばれる。莉沙も実は監督志望、賢が書いた脚本のセリフをめぐって言い争いとなり、賢は莉沙と少し険悪になる。撮影は進むが、莉沙の最後のワンショットを残して、彼女が交通事故に遭い死んでしまい、映画は頓挫する。そんな時、賢は街で莉沙にそっくりな女性を見かける。追いかけて話を聞くと、莉沙の双子の妹の洋子だった。賢は洋子に白羽の矢を立て、彼女を起用して最後のワンショットを撮影し、未完の映画に終止符を打とうとする。大学の映画研究会のメンバーを招集して撮影の再開を告げる賢だったが。集まったメンバーたち、そんな賢の申し出に、何故か戸惑うのだった。「見えないもの。手で触れられないもの。あるってことを証明できないもの。それを信じて欲しいんだ」ひそかに莉沙に思いを寄せていた賢には、深く胸に突き刺さる彼女の言葉だった。2011年5月公開映画の、監督自らが執筆した原作小説。

さて、感想。
ストーリーがたまらなくキレイ。そして、丁寧な映画です。ちょっとした心情の機微を、主張しすぎず隠しすぎずに届けてくれます。丁寧というのは、居心地がいいということで、結論を急ぎたくなったりすることはない。今という今の心情ひとつひとつが伝わってくるし、セリフひとつひとつが大切に使われている。感受性が強い人、気持ちが繊細な人にはとてもフィットするのではないかな。まさかファンタジー要素で展開していくとは思わなかったけど、ああ、これが映画表現なんだな、って思うところに絡んでいる。主人公・賢だけに見えている洋子というのは、まさにそれ。細かい映像を連続することで成り立っているんだな、映画って、と思わせてくれる。そして、監督は本当に映画が好きなんだなあと、映画ラブみたいなものを感じる。ものづくりの人の、ものづくりの人のための映画という面もあると思った。
…と、ここまで書いて、なぜこんなわけわからん感想文になっているのか、ちょっと考えてみた。
そうか、この映画は体験するものであって、「あのキャラが好き」とか「共感できる」とかいうものではない、ということに気づいた。この映画の世界に触れ、あのトーン、あの色調、あの時間空間を疑似体験し、主人公・賢の気持ちに「半分」感情移入し、最後に莉沙から丁寧なセリフで疑似自分に、今のこと、将来のことを説き告げてもらう。それを体験して、読後感のようなものを得る。まるで絵本を読んでいるように。だから、俺にはこんな感想しか書けないのであった。

好きなシーンは、高円寺のレコード店で莉沙/洋子と出会うところ。あと、冒頭の撮影をしているシーン。あの絵づくりは好き。場所は、基本的に公園/学校/部室/レコード店/喫茶店。公園のナチュラル感と、レコード店前の街っぽさのコントラストが、俺好み。そして、あのキャスティングの妙と言ったらアナタ…。俺は佐藤貴広さんの役がグっと来たなあ。

映画には2つある。一度観たから、もういいやと思うもの。もうひとつは、何度でも観られるもの。この映画は、明らかに後者。来週は連日トークショーがあるらしいので、何度か行ってみよう。黒澤清監督が「映画はオヤっと思うところが映画そのものだ」みたいなことを言っていたと思うのだけど、それが如実に感じられました。

それにしても、物語消費の時代もずいぶん経ち、ライトノベルやキャラクター小説が消費された今、まだまだ映画には可能性があると思わせてくれた。(←それらしいことを最後に言いたかった…)

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