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2011年1月19日 (水)

レイチェル・ボッツマン,ルー・ロジャース「シェア」(監修・解説 小林弘人)

ラジオ番組は生放送が当然だと思っている私が八橋壮太朗です。
一番聴くのはJ-WAVE TOKYO MORNING。別所哲也です。いや俺じゃないw

ようやく読了。レイチェル・ボッツマン,ルー・ロジャース「シェア」(監修・解説 小林弘人)。

本の内容の前に、速読力が問われる本だと思った。どちらかというと速読したくなるし速読が訓練される本かもしれない。ザックリ読んで、興味のあるところだけじっくり読めばいい本。

池田信夫さんの書評にも書いてあったけど、これだけ具体例を挙げているのにグルーポンが出てこないのはなんでだろう。たしかに不思議。あと、ソーシャルビジネスをしたい人、してる人には向いてる本というのも納得。コミュニティやリアルなモノや体験の貸し借りをネットを使ってビジネスにできている話がメインだ。

興味を持ったのは、「オンラインの関係をオフラインに」という話。同じ趣味や目的を持った人たちが繋がっているオンラインのコミュニティは、ビジネスにしようという意図が強くなくても自然にオフラインの活動に繋がっていっている。モノの貸し借りや売買、イベントへの参加などが活発になっていて、バーチャルなオンラインのつながりによって促進されている。個人と個人のコミュニケーションがバーチャル空間で促進され、リアルに会ったり売買したりする関係にしっかり展開されているということ。勝手なイメージだけど、日本ではライトなコミュニケーションはオンラインで展開されていると思うけど、その先のオフラインな関係まで発展しているかというと、否定的だと思う。特に、金銭が発生したり、ビジネスライクな取引が絡むと難しいんじゃないか。なんて思う。

あと、持続可能性(サステナビリティ)という概念が大事になってきたという話。どう儲けるかとか、集めるかという話ではない。社会の中に、そのサービスやコミュニティが存在し続けるシステムになっているかどうかに着目されているそうだ。この捉え方は、普段ぼんやり考えていたことに合致する。地方に住んでいると、首都圏でしかプロモーションされていないサービスのほとんどは、一過性のもので飽きられてしまって、地方まで拡がることなく終焉するのではないかと思う。これって、持続可能性の話だと思う。日本の場合は、首都圏向けサービスよりも、地方都市でも受け入れられて利益が出るビジネスモデルを作らないと、サステナビリティが無いということだと思う。

他にも、この本はいろいろ盛り込まれているけれど、掘り下げてじっくり読んだのは次の部分。
消費の形が新しくなってきたということ。評価や価値観が変わってきたということ。

従来は、大量消費。新品を買い求める。マスプロダクト(大量生産品)の時代だった。特にメーカーはマスプロダクトをどう造り、売るかという話だった。それが、今は頭打ちで飽和していて、機能も価格も競争が激しい。マスプロダクトを追求するわけにはいかなくなってきた。それは、自然発生的に消費者を常にひきつけることが難しくなっていて、不要なモノ、余っている土地、余っている時間を活用できるネットの時代には、ソーシャルパワーによってビジネスが動くようになったという話。ソーシャルネットワークによって、価値観がシフトしている。個人間で売買すれば、モノの値段は店でつける価格とは違うことも多い。貴重だと思えば高いし、その逆もある。余った土地を活用するという話では、農地が余っているところを人に貸して、人に週末農業をしてもらう。そうすると、その体験が価値であり、サービスなのだ。こういったことは、従来のマスプロダクトに価値を求めることと共存はできるが、その割合は減っていくことになるのは間違いない。

そして、ソーシャルネットワークの時代は、個人と個人の取引が増えるわけだけれど、その信頼性があるかどうかがポイントだ。そして、それはソーシャルネットワークにおける相互評価が担保することになっていて、裏づけられるデータもあるのだそうだ。

面白い本だったけれど、もっとコンパクトにできる。まあ、コンパクトにしないでキッチリ細かく論述できることこそが本のパワーなんだけどね。ちょっとボリュームが大きい感じは否めない。
全体としては「消費」についての本でした。
飛ばし読みに最適。飛ばし読みするなら、電子書籍じゃなくて、普通の本ですよ。これは。うん。


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