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2010年6月10日 (木)

Apple、iPhone、Twitter、Ustream。デジタル・ハブ構想とその先。根底にあるものは人間中心設計。

小津安二郎生誕百年を記念した松竹映画「珈琲時光」(侯孝賢監督)を見てノスタルジックに浸っている私が八橋壮太朗です。

人間の知恵はスゴい。
Apple、iPhone、Twitter、Ustream。企業、製品、サービスの本命たちが出揃った。

キーワードはいくつも読み取れる。

共通することは、デジタルのハードルを下げていること。人間中心設計(HCD、ヒューマンセンタードデザイン)の思想が根底にある。日々、製品もサービスも、人のやりたいこと・目的に合わせて洗練されていっている。すばらしい技術(とくにデジタル技術→情報技術)を、わかりやすく、直感的で、魅力的で、自然に使えるものにしている。ライフサイクルに合うし、忘れっぽい人でも使える。それは機能だけではないということ。いつでも・どこでも・だれでも(Anytime,Anywhere,Anyone)を超える、エーテルとも言える空気感。その構想と構築を具体的に提示するアップルが果たしている役割は大きい。

勝手に読み取ると、コンピュータ会社のアップルは、使いやすい、わかりやすい、クールなパソコンメーカーを目指していた。
もともと知識が無ければ使えなかったコンピュータ。
それを、直感的なインタフェースを実装することで、プログラムを記述できなくても使えるようにしていった。
パソコンが生活を変える。音楽が作れる、絵が描ける。文書が作れる、表計算ができる。
そこまで来て、今度はネットワークに繋がるようになった。
データを共有できる。メッセージが後れる。情報を検索できる。
インターネットが普及して、パソコン通信の時代も終わった。情報の発信も受信も管理も、フリーになっていった。
アップルは、その都度その都度、クールなツールを目指していた。

しかし、いわゆるウィンテル連合にシェアで圧倒的に負けていた。
今振り返ってみれば、コスト競争という意味と、システムの完成度でウィンテルは勝っていた。
購買対象は、専門知識がそれなりにあるユーザー。そして、スペックと価格のバリエーションが豊富にある「だけ」だった。
アップルは、iMacを投入し、ハードの魅力で巻き返しを図った。ソフトウェアも、従来のOSから、新しいMacOSXを開発するようになった。
人気は出たが、ハードとソフトが魅力的になっても、まだ足りないものがあった。
このころ、アップルは、ある戦略を発表する。

時代はWeb2.0に突入する。
ハードとソフト、そしてサービスの時代に突入する。同時にモバイル時代にも突入する。
ハードに依存しない。ソフトに依存しない。人々はコミュニケーションツールを求めた。
しかも、それはハードウェアとしてのツールから、メールやチャット、メッセンジャー、通話というサービスツール、ソフトウェアツールを求めていった。

このとき、購買対象は、専門知識があるユーザーだけではなくなっていた。
そしてスペックと価格のバリエーションで形成される「ハードウェア+ソフトウェア市場」から、どのサービスが、どのシーンで(いつ、どこで)利用できるのかという「ハードウェア+ソフトウェア+サービス市場」にシフトした。
まさに、人間中心設計。人の生活が中心だ。

驚きなのが、アップルが2001年に発表した「デジタル・ハブ構想」という戦略。
ここ最近の具現化してきたアップルの存在感は、Web2.0の前に発表したこの戦略に基づいている。

「2001年以降、デジタル・ライフスタイルの時代が訪れる。携帯電話や携帯音楽プレイヤー、DVD装置、デジタルカメラ、PDAなど各種のデジタル機器をつなぐハブ(中心)を担うもの、それがPCだ」とジョブズ氏。「Macintoshは“デジタル・ハブ”になっていく」

思い出すと身震いするぐらい、この戦略の正しさがわかる。

なにより、魅力的で生活が豊かになる。
これが技術者の目指すべきところ。企業のあるべき姿。
その根底にあるのは、人間中心設計の思想。
そう思ってもいいんじゃないだろうか。

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