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2007年12月23日 (日)

キル(NODA・MAP)@シアターコクーン

なんども先行予約に応募したのにチケットが取れなかった「キル」(作・演出 野田秀樹)ですが、当日券をアテにしてbunkamuraへ行ってみました。開演1時間前から発売ということですが、仕度に時間がかかってしまって現地に着いてみれば、開演1時間15分前でした。でも、30人も並んでいない感じです。これはチャンス。立ち見は間違いなくできる人数です。立ち見は3500円という破格で見られるのでオトクです。当然、文字通り立ちっぱなしで見なければいけません。でも、安いのも間違いありません。

全体的な感想ですが、世界観を飲み込むまでにちょっと時間がかかりました。何度か観ればどんどん楽しめそうな作品です。というのも、役者ひとりひとりが気になってセリフやストーリーを受け止めるのがおろそかになりそうでした。お、あれが妻夫木だな。こっちが広末だ~。などと観ようものなら冒頭のシーンが頭に入りづらいのです。役者目当てで観ると、ちょっとそのあたりが厳しい。私の目当てはNODA・MAPそのもの。役者は市川しんぺーさん目当てです。またコクーンで見れたしんぺーさん。ドラクル以来です。あのときもコクーンでした。小さいステージで千葉雅子さんとケータイ小芝居をしていた兄貴がこんなになってゆくとは!嬉しいなあ。

開演してみてビックリ!すごくいい役回りじゃないですか、しんぺー兄貴。冒頭で、添乗員の旗を持ったままフリーズするところは、腕がプルプルするんじゃないかと思うキツそうな場面がありました。ああ、しんぺーさん頑張って~、なんて思っちゃうのですが、そんなふうに見ているとストーリーが飲み込めないまま進んでしまうので、この先は作品そのものを受け止めるのに集中しました。言葉あそびのようなところが多くて、その部分は駄洒落のように分かりやすい。なのに、世界観そのものは易しくないですね。そのギャップが、観客に媚びない感じがしてよかったのですが、逆にユルい部分を入れておかしく楽しくしているパートもあったりなんかして、ここは観客に擦り寄ってるよな、なんて思いながら観ていました。トーン&マナーという見方をすれば、ちょっとズレた要素が多いかな。そのバラけたトーンを勢いで魅了しています。とくに野田秀樹の動きは見せることをキッチリ意識しています。遠い席から見ている観客としては、そのあたりがとっても嬉しい。

役者ひとりひとりについて、ひとことコメント。
●妻夫木聡
なんだか、もっといろいろやってほしい。あまりにも普通にやってのけているように見えるので、どんどん要求してしまいそうです。長い公演、体調に気をつけて。
●広末涼子
ちゃんと声に個性があって、とってもいい感じでした。やりきってる感じもするし、観客の生の反応を受け止められて嬉しそうでした。
●勝村政信
おいしい役だなあ。しかも遊びすぎじゃないのかっ。のびのびしていて、持ち味がよく出ていたんじゃないでしょうか。
●高田聖子
扱いが悪いと思ってしまいましたが、重要なセリフはほとんど彼女だったのではないでしょうか。
●山田まりや
もうちょっと目立ってもいいんじゃないでしょうか。もっとしっかり見たかった。
●村岡希美
そう…。山田まりやと同じように、もっとしっかり見たかった。役回りとしても、そういうところです。2回見られたら、もっとしっかり見たい。
●市川しんぺー
やばいよ兄貴。ファン心理を除いてもいい演技してまっせ。特に声がいい。一番しっかりセリフが言えているのではないでしょうか。安心して観られました。今回も、もち肌を披露しましたな。
●中山祐一朗
もうちょっと役どころが欲しいですね。カラミどころ増やしてあげて…。
●小林勝也
推し量らなくても大変そうな役柄です。作品全体の色を、この役が決めていると私は思いました。濃すぎず薄すぎず、とてもいいバランスで演技をされていたと思います。
●高橋恵子
そう、この役も、力加減ひとつで全体の色が大きく変わりそうです。最後までブレない存在だと思いました。もうちょっと見たかったな。
●野田秀樹
またステージのいちばん端で大声だしていました。そういうの、私は好きです。子供の役も見られて、幅広く楽しませていただきました。結局、今年は3回見ました、野田さん。

2007年12月17日 (月)

わが闇(ナイロン100℃)@本多劇場

怒涛の芝居月間、12月であります。今月5作品目は、ケラリーノサンドロヴィッチ作・演出の「わが闇」(ナイロン100℃)。椅子が狭くても、なんだか好きな本多劇場であります。今回は中央ブロックの前から10列以内の席で見られて、とってもいい席で見ることができました。

休憩を入れても3時間半という、あいかわらずじっくり楽しませてくれる公演でした。役者ひとりひとりに愛着が持てて、とっても満足。はじめて見れた長谷川朝晴さん。こりゃファンになりそうです。いいです。彼。そして坂井真紀さん。なんですか彼女は。酔った演技がたまりませんよ。しかも思った以上にロリっぽいよ…○○歳ぐらいのはずなのに!危険な香りがしますね。最前列で見てたら気になってしょうがないタイプ。ああ。あああ坂井真紀。そんな感じでしょう。以上、客演の方々でありました。そして犬山イヌコさんと三宅弘城さんをじっくりと見ることができたのが満足でした。とんがりすぎてないけど、役者それぞれのトーンがバランス取れていて、久しぶりにいいまとまりの芝居を見られました。あ、うっかり忘れるところでした岡田義徳さん。目立ちすぎず持ち味も出していて、よかったです。こんなに褒めまくるのは久しぶりです。うっかりパンフレットも買っちゃいました。不思議なツクリのパンフレットでマジマジと見ています。そうそう、当日券もあったみたいでおススメです。12月30日までやってます。なんと当日券と思われる補助席は、前から5列目ぐらいの通路にズラっと並べられているので、めちゃんこいい席です。

ところで、客席に市川しんぺーさんのそっくりさんみたいな人がいました。というか限りなく本人…。何度も見てしまいました。彼からすれば変な奴がちらちら見てるなーってところなんでしょうけども。わざわざ家に帰ってからコクーンのスケジュールを確認してしまいました。今、NODA・MAPに出てるはずだから、まさか観に来てたりしないよね?しかも日曜に。と思って確認したら、今日は昼公演があって、明日は休演なのです。ありゃ、マジで本人じゃねぇのか。ああ。あああ。ひと重まぶたで怖かったよ…。

2007年12月16日 (日)

偏路(劇団、本谷有希子@紀伊国屋ホール)

見てきました、本谷有希子。

開演前のアナウンスで久しぶりに本谷有希子の声を聴いて、ああ、この声だよなあと懐かしんでしまいました。癖があるけど、変に落ち着くいい声です。

今回の衝撃度順に感想を挙げていきましょう。

●江口のりこ
はじめて生で見たのですが…すごくスタイルがいい。ちょっと細すぎるんじゃないかと思うぐらいだけど、背も高いし、座ったり立ったりしていると、ついつい江口のりこばかりを見てしまう。いかんいかん。もちろんいい意味で。醸し出す存在感もしっかりしていて独特で、よかった。

●馬渕英俚可
これまたはじめて生で見たのですが…。髪型も手伝ってか、鈴木蘭々みたいな印象。生き生きしていていいなあ。空回りのギリギリ手前でうまく演じていて、とっても好印象でした。

●近藤芳正
ちんげさんこんにちは。青山スパイラルで見た「砂利」以来です。経験と経歴からすれば、あなたのほうが空回りしているでしょう。いい意味で。好きだなあ、こんどーさん。いくつか見るようになって、だんだん持ち味が分かってきた気がします。テレビで見るのとは違う面が。演じているときは生き生きしているのに、演じ終わると沈んだ表情になるのは、素でしょうか。ともあれ、どういう芝居をしていきたいのかがだんだんわかってきた気がします。

●本谷有希子
いまだにフリクリのおねーさんというイメージしか定着していないのですが、もうちょっと作品を見ていかないと本谷ワールドはわからない気がしました。このままマイペースで本谷ワールドを展開していってほしいです。

内容の感想はというと、家のセットで繰り広げられる親子・親族の話なので、吉本新喜劇みたいなイメージが、たまにダブりそうになりました。ぜんぜん違うはずなのに。本谷ワールドは小劇場向きなんだと思う。あと、近藤芳正の持ち味を出しきれずに、彼がやりたいようになって楽しんでいる感じがするのだけれども、そのへんはいかがなものでしょうか。好きなんだけどな、こんどーさん。本谷有希子は強く出れないのでしょう…きっと。本谷シナリオを生かせる演出の人が出てくれば、すごくよくなる気がする。シナリオとメッセージ性はとてもいいと思うので、この先に期待。…と、生意気なコメントが連発で怖いので、やめましょう。

生っぽさ以上に、本谷有希子の感性が色濃く感じられました。理由や理屈ではなくて、なんとも言えない独特な筋書きや展開があるのです。この感性は若々しい作家が本人の力で育っていく過程を見ていられるようで、先が楽しみになります。前から好きな近藤芳正がいるおかげで、偏った見方しかできなくなっていますが、それはそれでおもしろい。作品それぞれで満足するかというよりは、長い時間をかけて見守っていけば、見ている私にもなにかが得られるような気がする。そんなおもしろい感情になりました。

最後に。
前から紀伊国屋は嫌いなのですが、今回も会場に嫌なヤツがいました。「オレ仕事で居るだけで芝居好きとかって思われたくないんだよねー」的なことを声を大にして言っている。まだしても顧客満足度が下がりました。勝手に紀伊国屋関係者と思っておきます。

2007年12月 9日 (日)

つゆ男(福田転球×平田敦子÷千葉雅子@シアタートップス)

「つゆ男」(福田転球×平田敦子÷千葉雅子@シアタートップス)

猫のホテルの千葉さんが作・演出で、二人芝居だということで見てきました。うっかり千秋楽です。あわわ。

だんだん千葉さんの持ち味がわかってきたような気がします。村とか労働者とかがキーワードです。田舎臭くて人間臭い。あと、時間とかシーンとか、けっこう強引に変えちゃう。大人の事情ってやつです。深く突っ込んではいけない事情が多分に登場するのです。

冒頭に、いつものように千葉さんの陰ナレで諸注意がアナウンスされます。相変わらずポケベルも電源を切れというあたりが、千葉ワールドへ戻ってくるためのちょうどいい潤滑油。ちょっとぐらい千葉さん出てこないのかねえ。

始まってみれば、転球さんの勢いにもっていかれっぱなし。タイトルのとおり、確かに汗だく!名前にイツワリなし、ってところです。汗だくにさせるために、間髪入れずに激しい動きをさせる本になっている気もして笑えます。平田敦子さんは役の演じ分けが自然です。そのスゴさを前面に出さないあたりが玄人っぽい。いい味出してます。

もらったチラシの中に、来年5月に本多劇場で猫のホテルの公演予告がありました。楽しみ楽しみ。
そういえば、トップスの前で限りなく本広克行さんっぽい人を見かけました。ヨーロッパ企画の公演ついでに寄ったのかな?

2007年12月 8日 (土)

火星の倉庫(ヨーロッパ企画)@シアターサンモール

火星の倉庫(ヨーロッパ企画)@シアターサンモール

見てきました、ヨーロッパ企画第25回公演「火星の倉庫」。

このまえ見たカムカムミニキーナ「軍団」より面白い。

良かったです。楽しい。笑える。わかりやすい。ばかばかしい。なんとも言えないパワーをもらえます。こんなに重たくないのに軽すぎもしない、いいトーンの作品は、いままでで一番かもしれない。いままでの経験を足ががかりに、しっかり組み立てなおした印象があります。ひとまわり大きくなったなあ。えらそうなことを言えば、そんなところでしょう。観客も多くて、嬉しい反面、売れすぎないで欲しいですけど。ダークなことを言っちゃうと、ばかばかしくて笑えるタイプの芝居やステージって、客層があんまり好きじゃありません。嬉しいのは分かるけどはしゃぎすぎだし、些細なことでも大声で笑うんですよね。今のはスベってるだろうというのでも大爆笑。おかしいよ、それは。ある意味、お笑いを見る感覚で素直にリアクションするのは見習わなきゃいけないとは思いますが、やりすぎなんだよなあ。ラーメンズの公演と一緒。

そんなことはさておき。

好きで何度か見ているヨーロッパ企画ですが、なんとなく不完全燃焼な感じで毎回みていました。話は膨らむし、小ネタも多くて楽しかったのですが、風呂敷を広げるだけ広げて、はいオシマイ。という印象が、実は多かったのです。ほかには文句をつけるところは無くて素晴らしい公演ばかりなんですが、唯一の不完全燃焼ポイント。それが今回は全く無し!設定も分かりやすいし、キャラも立ってるし、終わらせ方が今までで一番スマートだと思う。いやあ、腕を上げたなー。内装とか装備とかの出来は前からスゴかったので、今回ついに相乗効果が出たと思います。たぶん役者もスタッフも全員レベルアップしまくり。というかレベル高かったのにうまく機能していなかったというか。これって作・演出の上田誠さんがメチャんこグレードアップしたっつーことでしょう。素晴らしい。ホレスタ見てます。

「このタイヤキ、あんこ少ないなあ…。豆はいいけど砂糖入れすぎだよ」

「このタイヤキ、あんこ詰まってるぞ。しかもイイ豆使ってる!砂糖も適度でおいしい!」

こんな感じでしょうか。

私的に定着している役者さんは永野宗典さん&本多力さん。この二人をどういう位置づけにするかで、作品の8割は決まってしまいそうです。またどこかで見たいな。山脇唯さんはいい声してます。自然なトーンで話せているし、とげとげしくもないし、すごく受け入れられやすいキャラクターじゃないかな。

こりゃ、そろそろ10日公演とかやってくんないとチケット取れなくなっちゃうかも。

ヨーロッパ企画「火星の倉庫」
http://www.europe-kikaku.com/projects/e25/main.htm

2007年12月 3日 (月)

監視カメラが忘れたアリア(虚構の劇団)

見てきました。「監視カメラが忘れたアリア」。作・演出は鴻上尚史。場所は中野ザ・ポケット。鴻上さんの芝居が気軽に見れると思ってかけつけてみたのであります。

寝ぼけたまま行ったので、目の前に現れた鴻上さんを知り合いだと勘違いして会釈。いやあ、知り合いじゃあないってば。

内容は、役者を誰も知らないこともあって、色眼鏡なしで見ることができました。ステージで輝くというか、スター性があるとすれば、配役通りなのかもしれない。でも、安定感のようなものを感じたのは大久保綾乃さんと杉浦一輝さん。必要以上に尖がることはないけど、色をつけるべきところはつけている。トーン&マナーという見方をすれば、この二人がいいと思う。適度な存在感。一緒にいる役者たちの味まで引き出せている気もするし、セリフも自分の言葉として話せていると思う。テレビ的かもしれないけれど、ステージの上はオーディション会場ではないので、頑張ってる感じを出されると、私は少し抵抗感を持ってしまいます。ですから、大久保さんと杉浦さんがイチオシです。活躍していけばファンになっちゃうだろうな。杉浦さんはセリフも少なくて残念だったので、どこかでもっと見たいです。

せっかくなので、役者さんひとりひとりについて、ひとことコメント。

内海正考
いいひとっぽいので、打算的で嫌なやつを演じてみてほしい。「表情にメリハリが欲しい人」

大久保綾乃
丁寧な感じがするし、味もある。器が大きそう。「見ていたい人」

小沢道成
難しい役柄だった思う。たぶん人に思われるより苦労してそう。「応援してあげたい人」

小野川晶
アイドル性がありそう。嫌なヤツって役柄が合いそう。「この先が気になる人」

佐江木れいみ
求められた役柄をしっかりこなしている。「もうちょっと前に出てもいい人」

杉浦一輝
役柄的に残念な感じ。いつか2人芝居とかで見たいタイプの役者さん。「早く売れて欲しい人」

高橋奈津季
高い身長で目立つので、わかりやすい役柄に向いてそう。「自信を持って欲しい人」

三上陽永
ハマリ役がみつかると、一気に売れそう。「いつかは必ず売れそうな人」

山﨑雄介
明らかに頑張っていた。それだけで満足させてくれる。「セリフに詰まっても許される人」

渡辺芳博
ベテランな雰囲気が出ている。期待されすぎて困ってそう。「役柄が幅広そうな人」

ああ、またエラそうなことを言ってしまいました。ええい、言っちゃえ言っちゃえ!

満足度○。前売り2900円の芝居とは思えないです。とても満足できました。当日券直前WEB予約ができるらしいので、行ってみたい方は下のURLをチェックすべし。

虚構の劇団
http://www.thirdstage.com/k/

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